GUIDE 06 / 07
px/sを°/sへ — 画面補正と単位換算の方法
クレジットカードの幅や画面の対角線から1 pxの実際の長さを求め、視聴距離から角速度とランドルト環視力を計算する方法を式と例で説明します。
px(ピクセル)は画面ごとに実際の長さが異なります。研究で動体視力を°/s(1秒あたりの視角の変化)で記すのは、目から見た角度が画面サイズに関係なく比較可能な単位だからです。このサイトの補正パネルは、以下の計算を代わりに行ってくれます。
ステップ1:1 pxの実際の長さを求める
クレジットカード方式 — クレジットカード・キャッシュカード・交通系ICカードの多くは国際規格ISO/IEC 7810 ID-1に準拠しており、横幅が85.60 mmです。画面の枠をカードの幅に合わせると、次のように求められます。
1 pxの長さ(mm) = 85.60 ÷ 枠の幅(px)
例:枠の幅が323 pxでカードと同じになった場合、1 px ≈ 0.265 mmです。
対角線方式 — 画面の対角線のインチ数がわかれば、ブラウザが報告する画面解像度(CSSピクセル)で計算します。
1 pxの長さ(mm) = 対角線(インチ) × 25.4 ÷ √(横px² + 縦px²)
ブラウザの拡大率やOSの表示倍率設定が100%でないと、CSSピクセルと実際のピクセルが異なり誤差が生じます。カード方式の方が正確です。
ステップ2:px/sを°/sへ
画面中央付近で対象がv mm/sで動き、目と画面の距離がD mmであれば、目から見た角速度はおよそv ÷ Dラジアン/秒です。
角速度(°/s) ≈ 速度(px/s) × 1 pxの長さ(mm) ÷ 距離(mm) × 57.3
例:1,000 px/s、1 px = 0.25 mm、距離60 cm(600 mm)→ 1,000 × 0.25 ÷ 600 × 57.3 ≈ 23.9 °/s
この式は対象が画面中央付近を通過するときに最も正確です。画面の端は目からより遠く、より斜めになるため、実際の角速度は少し小さくなります。そのため°/sの値はおおよその比較用です。
ステップ3:ランドルト環のサイズを視力に
ランドルト環は国際規格ISO 8596で定められた視標で、環の直径が切れ目の幅の5倍、線の太さが切れ目の幅と同じです。 切れ目が目から見て1分(1/60度)の角度をなすときに見分けられれば、小数視力1.0です。
小数視力 = 1 ÷ 切れ目がなす角度(分)
例:60 cmの距離で1分は約0.175 mmです。1 px = 0.265 mmの画面で切れ目が4 px(1.06 mm)であれば約6.1分となり、小数視力約0.16に相当します。
このサイトのKVAモードは、押した瞬間の環の直径からこの値を計算し、換算視力として表示します。数字の対象は、文字の高さ5分を視力1.0とみなす慣例で近似します。
換算視力を読むときの注意点
- 画面テストの換算視力には、反応時間の間に大きくなった分、画面の明るさ、ピクセル境界の粗さがすべて含まれます。眼科検査器のKVA値と直接比較することはできません。
- 60 cmで視力1.0の切れ目は1 pxより小さく、画面に正確に描画できません。画面テストは原理的に低い視力範囲しか扱えません。
- 同じ補正・同じ距離で測定した値同士を比較するときに最も意味があります。