GUIDE 02 / 07
静止視力と動体視力はどれくらい関係があるのか
視力表の視力が良ければ動体視力も良いのでしょうか。速度が上がるほど関係が弱まるという研究と、動体視力を左右する目の追従能力を解説します。
静止視力(static visual acuity)は、静止した視標をどれだけ小さいものまで見分けられるかです。動体視力は、その視標が動いているときの成績です。両者は同じ目を使うので関係がありそうですが、研究結果はもう少し複雑です。
遅いときは似ていて、速いほど異なる
アメリカ・カリフォルニアの運転者を対象にしたBurg(1966)の研究は、静止視力と動体視力検査のスコアの間に高い相関があるものの、対象が速くなるほどその相関が弱まると報告しました。同じ研究で、視力は対象の速度が速くなるほど、また年齢が高くなるほど低下しました。
意味はこうです。ゆっくり動く対象は目が容易に追いかけられるため、事実上静止視力検査と似た結果になります。速い対象では目がどれだけうまく追いかけられるかという新たな変数が加わり、静止視力だけでは説明できない個人差が生まれます。
動体視力を左右するもの:追従眼球運動
動いている対象を鮮明に見るには、対象の像が網膜の中心(中心窩)にとどまる必要があります。そのため目は対象を滑らかに追いかける追従運動と、素早く追いつく跳躍運動を組み合わせて使います。追いつけないと像が網膜上で滑ってぼやけ、細部を見分けにくくなります。
Uchidaら(2012)は大学野球選手8名と運動をしていない8名のDVAを比較しました。目を自由に動かせる条件では、選手はより小さな視標をより速い速度まで見分けましたが(平均404 °/s対315 °/s)、視線を1点に固定した条件では両群に差がありませんでした。 研究チームは、選手の優れたDVAが網膜上の動く像を処理する能力よりも目で対象を追いかける能力によるものだと結論づけました。
それでも静止視力は前提条件
静止視力が動体視力のすべてを説明するわけではありませんが、ぼやけて見えれば動いている対象も当然見分けにくくなります。近視・乱視が矯正されていない状態では、動体視力の測定値も低く出ます。テストは普段使っている眼鏡・コンタクトレンズを着けた状態で行ってください。
このサイトのテストとの関係
- DVAモードの対象はあえて大きく(直径44 px)描いています。60 cmの距離にある一般的な画面で小数視力1.0に相当する切れ目(1分)は1 pxより小さく描画できないためです。そのためこのテストは小さいものを見る能力よりも速いものを追う能力を主に測ります。
- 画面補正を行うと、結果画面に対象の大きさが静止視力のいくつに相当するかも表示します。この値が低いほど(対象が大きいほど)、静止視力の影響は小さくなります。